彼は 初めてじゃないけど。

恋は 初めての私。


高校生の時は 好奇心と ノリで 

好きかどうかも わからないまま

男子と 付き合っていたから。


光司に感じる 焦がれる思いは 初めてだった。



光司とは 頻繁に ラインをして。

時々 電話で話して。


夏合宿から 戻ってすぐに 

私達は 初めてのデートをした。


待ち合わせの駅 先に着いた私は

改札から出て来る 光司を見て 胸が熱くなる。


「あれ。まどか 早いね。」

光司は 私に 笑顔で言う。

「うん。さっき着いたところ。」

私が 微笑んで 光司を見ると

光司は 私の手を取って

「行こう。」と言った。


映画を見て 食事をして。

手を繋いで 街を歩いて。


光司は 見ていたよりも

ずっと 優しくて 甘くて。


私が 密かに 思い描いていたよりも

光司との時間は ずっと楽しかった。