「ただいま」 マンションに着くと、自分の部屋の電気がついていたため、すでに新が部屋にいることがわかった。 「お疲れ様。おかえりなさい」 最近はお互いの部屋を行ったり来たりで、このような状況にもようやく慣れてきた。 おそらく、週に5日間ほどはお互いどちらかの部屋にいる。 別々に過ごすほうが少ないくらいだ。 「ねえ、南央さん」 私がスーツから部屋着に着替えている最中、扉の向こうで新が私に話しかける。