オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。


 待って。え?

「迷惑じゃ、ないの?」
「厄介ではあるが。不愉快ではない」
「あたしのこと。嫌いじゃないの?」
「嫌いなヤツに会いに来ると思うか」
「もっとわかりやすく言ってくれないとわかんないよ。あたし。バカだから」
「なんでもかんでも口に出せるのはガキのうちだけだ」

 オトナとコドモの線引きしないでよ。

「どうして俺なんだ。他に男を知らないわけでもないだろう」

 大地くんが、いいの。

「俺がしてやれることなんて限られている」

 いいよ。

「寂しいときに駆けつけてやれない」

 あたしが、会いに行く。
 会えないときは待ってる。

「大地くんじゃなきゃ。いやだ」