オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。


 ひととおりまわって、イルカショーを見たあと、お土産が並ぶ売店を通りがかった。
 色んな海の生き物のグッズがあるようだ。

 素通りしかけた大地くんのジャケットをつかむ。

「ここ、寄ってこうよ」

 せっかくだから、なにか買って帰ろう。
 初デート記念に。

 ……デートだよね? そうだよね?

 キーホルダーにハンカチ、オリジナルTシャツなんてものもあるのか。
 どれにしよう。迷うな。
 なんでもいいからお揃いで持ちたい。大地くんとペアのもの。
 けど、そんなこと言うと、『ジブンは、遠慮しておきます』とかなんとか拒絶してきそうな気しかしない。

 となると、あたしが買って渡せばいいんじゃない?

「あ、これかわいい」

 細いボールペンの頭に水族館モチーフの小さなマスコットがついている。
 シンプルだからこれなら二人で持てるくない? ダメ?

「イルカですか」
「んーん。サメの方」
「へえ」

 へえ、ってなに。へえって。
 イルカ好きって言った方が可愛かった?