オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。


 ギュッとして欲しい。

「……やっぱり、なんでもない」

 お休みなのに仕事してきて疲れてる大地くんにワガママいうとか、ありえないよね。

「雨水モロにかぶったからな。ニオウかもよ」

 ――――!

「気にしないよ。……そんなの」
「そーかよ」

 部屋に入ってきた大地くんが、ベッドの前に腰をおろす。

「おかえり。大地くん」
「ただいま」
「おかえり!」

 布団から飛び出て、大地くんに抱きつく。
 おかしいな。
 よけたり、はがされたり、しない。

「カラダ冷たいよ。ほんとに大丈夫?」
「弟とは仲直りしたか」
「告白された~~!」
「あ?」
「血が繋がってないんだって」
「そうか」
「……驚かないの?」
「アイツの美香を見る目は。男だった」

 大地くんは、気づいてたんだ。

「そうでなくとも。違和感はあった」
「違和感?」
「私服だと大学生に間違えられることも少なくない俺を、出会ってすぐに迷いなく『成人してる』と言い切ったろ」