オオカミさんはウサギちゃんを愛でたい。


「もうあがっていいんですか? まだ洗い物が……」
「高校生は22時以降は働かせられないの」
「お手伝いなら真夜中でもできますよね」
「ゆっくりしてていいよ。あんまり働かせすぎたら大地に怒られちゃう」

 海月さんは、他にバイトを雇っていない。小さな店だからと言っていたけれど、サポートしてもらえる人間が一人でもいたらずっとラクになるはず。
 ひょっとしたら、人件費を払う余裕がないのかもしれない。

 最低賃金を調べて、驚いた。
 この店のメニューの安さにも。

 自分の土地だろうから家賃はかかっていないようにみえるけど、お店をやっていくにはお金がかかる。
 食材などの仕入れや光熱費。
 バイトをインターネットで募集するとなると広告求人費。

 税金とか、詳しくわかんない。
 けど少なくはないと思う。

「大地がね、毎月お金を送ってくんの。防衛大に入ってから、途絶えることなくずっと。イラナイって言ってんのにさ。そういうヤツなんだよ」