「……こんな凡人」
モトナリが舌打ちをする。
190で小顔でイケメンでクールそうでオラオラしてて実は優しくて甘い大地くんのどこが凡人なの。
「まずはローラーコースターいくか」
大地くんは、オトナだ。
モトナリからなにを言われようが感情的にはならない。
10も違うのだ、それが当たり前なのかもしれないが、それにしてもモトナリの無礼をスルーしてくれる。
ところで、あたしよりモトナリに話しかけてるよね。いつもより饒舌だし。
「遠慮しておきます」
よし、あたしと大地くんで乗ろう。
「こえーのか」
「リスクを無駄に背負いたくないだけです」
絶叫マシンが危ないって言いたいの?
大丈夫でしょ。
そう思ったとき、頭上を通ったローラーコースターから『キャアアア!!』と悲鳴が聞こえてくる。
……こわく、ない、もん。


