「個室かよ。俺はプライベートなんざないというのに」
はやく大地くんと共同生活したい。
「まあ。そんな暮らしも、美香と暮らすようになったら終わるんだが」
あああ、さらっと言ってくれちゃうんだね! すき!
「美香さんを満足させられるとは思えません」
「どういう意味だ」
「あなたは、知らないんです。美香さんにどれだけお金がかかるか」
「俺個人の財力なんて美香は興味ねえよ。あったら最初から範疇にいないだろ」
そうだそうだ。
無一文でも大地くんがいいの。なんなら、あたしが養ってあげる。
「これでも公務員だから、安定はしてる。俺には金のかかる趣味もギャンブル癖もない。酒は嗜むが煙草は吸わん。贅沢しすぎなければ暮らしていけるさ」
「本当に美香さんは納得してるんですか」
「納得もなにも、あたしは大地くんの傍にいたいの! 一緒になりたいのも、はやく愛し合いたいのもあたしの方」


