イジメ返し―新たな復讐―


『ほんと、あたしってバカだね』と真紀は笑っていた。

どうしてこんな場面でへらへらと笑っていられるんだろう。

分からない。わたしには全くわからない。

信じられないほど純粋な真紀。でも、どうしてそういう発想になるのかわたしには到底理解ができなかった。

一人お弁当の包みを抱えたまま屋上から出て悶々とした気持ちを抱えたまま階段を降りる。

自分の足元が視界に入る。来客用の緑色のスリッパがパタパタと鳴る。

結局、わたしの上履きはどこかへいってしまった。

もちろん上履きが勝手に動き出すはずもないし誰かがわたしの上履きを隠したか捨てたかしたに違いない。

「そろそろ買わないと……」

いつまでもスリッパでいることもできないし、上履きを買ってほしいと親に頼むしかない。

もしくは貯めているお小遣いを使って上履きを自分で買うしか道はない。

わたしには無駄なお金は1円たりともない。

高校を卒業し、一人暮らしをすればお金がかかる。そのためには今のうちからきちんと貯金をしておく必要があった。