「真紀……。わたし、どうしたらいいと思う?」

昼休みになり、誰もいない屋上へやってきた。

わたしは真紀に今までの出来事を打ち明けた。

真紀は相槌を打ちながら黙ってわたしの話に耳を傾けてくれた。

「そっか……。愛奈、カスミちゃんの提出物とか手伝ってあげてたんだね。あたしはバカだから一度も頼まれたことがないや」

「……頼まれないほうがいいよ。頼まれたら断るのに苦労するから」

「一度、断ってみたらどうかな?」

「断る?断ったら今度は何をされるか分かんないよ」

「あたし達って小学校からの付き合いでしょ?だからカスミちゃんはしっかり者の愛奈に甘えてるんだと思うの」

「カスミちゃんがわたしに甘える?そんなことありえないよ。今までだってそうだよ。わたしがカスミちゃんに何されてきたか真紀は全部知ってるでしょ?」。

カスミちゃんがわたしに甘えているとか、どうやったらそういう考えになるのか分からない。

それに真紀は知っているはずだ。

わたしが小中学生のときどんなにカスミちゃんに目の敵にされてきたか。

何度この命を断とうと思ったか。わたしはそれほどまでにカスミちゃんという存在に追い込まれたんだ。