少し前からなんだか具合が悪そうにしていることが増えた気がする。
なんてことがないようなふりをして授業を続けている先生。でも、心の中はきっと張り裂けてしまいそうに違いない。
「あっ、見て!新しい動画アップされたんだけど~!」
「嘘。マジ?どれ?」
志穂ちゃんのスマホから教室中に響きわたるほどの大音量のアップテンポな曲が流れる。
「――かにしなさい」
先生が何かを言っている。でも、その声がスマホの音でかき消される。
「……ハァ~?何?声が小さくて聞こえないんだけど」
カスミちゃんが伊藤先生のことをフンっと鼻で笑った瞬間、先生はバンッと教卓を両手で叩いた。
「静かにしなさいって言っているの!!」
その声はまるで先生の悲鳴のようだった。
「何、急に大きな声出して」
志穂ちゃんが動画を止める。シーンっと静まり返った教室内で先生は酸欠かのように顔を真っ赤にして肩で息をしていた。
「授業を受ける気がないなら、教室から出なさい。あなたたちのせいでみんなが迷惑をしているの!」
「……は?迷惑って何?」
「そうやって授業を妨害して楽しい?私を困らせて満足?」
「ハァ……?何言ってんの?」
カスミちゃんが呆れたような声を上げる。
なんてことがないようなふりをして授業を続けている先生。でも、心の中はきっと張り裂けてしまいそうに違いない。
「あっ、見て!新しい動画アップされたんだけど~!」
「嘘。マジ?どれ?」
志穂ちゃんのスマホから教室中に響きわたるほどの大音量のアップテンポな曲が流れる。
「――かにしなさい」
先生が何かを言っている。でも、その声がスマホの音でかき消される。
「……ハァ~?何?声が小さくて聞こえないんだけど」
カスミちゃんが伊藤先生のことをフンっと鼻で笑った瞬間、先生はバンッと教卓を両手で叩いた。
「静かにしなさいって言っているの!!」
その声はまるで先生の悲鳴のようだった。
「何、急に大きな声出して」
志穂ちゃんが動画を止める。シーンっと静まり返った教室内で先生は酸欠かのように顔を真っ赤にして肩で息をしていた。
「授業を受ける気がないなら、教室から出なさい。あなたたちのせいでみんなが迷惑をしているの!」
「……は?迷惑って何?」
「そうやって授業を妨害して楽しい?私を困らせて満足?」
「ハァ……?何言ってんの?」
カスミちゃんが呆れたような声を上げる。



