【神宮寺エマside】

「もしもし。はい。神宮寺エマです。イジメ返しには成功しました。でも……愛奈ちゃんは……」

電話で今の状況を伝えると、電話口からわずかな溜息が漏れた。

「そう。仕方ないわね。お疲れ様」

この声にエマは何度救われたか分からない。

「……エマ、大丈夫?」

「はい。大丈夫です。エマはこれからもイジメ返しを続けます。そして、いつか……必ずあの女に復讐します。桃さん、また新しいターゲットが見つかったら連絡しますね」

そう伝えると電話を切った。

SNSで西園寺カンナという名前を知ったあと、エマはイジメ返しというものを知った。

イジメた相手にイジメられた人間がイジメ返しをする。

法で裁けないなら、自分で相手を裁くしかないという部分にエマは共感し、SNSを通じてカンナさんの意思を継ぐ人間と連絡をとった。

それが桃さんとの出会いだ。

そして、今までの事情を説明すると桃さんはエマにこう言った。