言葉にできない。

死を覚悟した瞬間、あたしはつぶれたパンをギュッと抱きしめた。

瞼に浮かぶのは今まで自分がしてきた非道な行為だった。

それをなかったことにはできない。

あたしは死ぬ直前まで自分の行動を客観的にみる事ができなかった。

息ができずその場で苦しみにのたうち回るあたしに容赦なく煙が巻き付いてくる。

これは罰だ。人を傷つけた罰。

甘んじて受け入れる事しかできない。

意識が遠のいていく。きっとこの先に待っているのは地獄だ。

後悔と絶望に打ちひしがれながらあたしは16年という短い人生に幕を閉じた。