目の前に火花が飛び、そのままあたしの体は床に倒れた。
「カスミちゃんと同じような境遇にいても、他人への優しさを忘れずにいた子もいるの。家庭環境や生きてきた過程が同じなのにどうしてだろうね……?やっぱり結局はその人の人間性っていうことだよね?」
エマはそう言うとあたしの体を足で仰向けにした。
いまだに自由のきかないあたしの腹部に足を乗せてグリグリと踏みつぶす。
「みんなの前でカスミちゃんにこうやってやられた子の気持ち、少しは理解できた?」
無表情のエマはそう言うとあたしのそばに腰を落とした。
「ふざ……けんな……」
怒鳴りつけてやりたいのに全身の力が入らず声も途切れ途切れになる。
「もう少しおしゃべりしていたいところなんだけど色々と手違いがおきて時間がないの。本当はカスミちゃんでイジメ返しは終わりのはずなんだけどそうもいかなくなっちゃった」
「イジメ……返し……?」
「そう。こうなったのは愛奈ちゃんをイジメたカスミちゃんのせい。イジメなんて卑劣な行為をしなければこんなことになることもなかったのに。残念だけど、カスミちゃんはここで死ぬの。一階の生活保護のおばさんの家からガスが漏れて隣の部屋の前科ありのおじさんがきちんと始末しなかったタバコの火に引火して大爆発。カスミちゃんは金城もろとも燃えて灰になる」
「くっ……」
立ち上がろうとしても全身に力が入らない。



