イジメ返し―新たな復讐―

顔面中が血だらけになり前歯が折れていた。鼻は折れ、左側に傾いている。

酷いありさまだ。ここまでのケガをしたことは今まで一度もない。

そして、ここまで金城に酷い暴力を振るわれたことも一度もない。

殺される、と初めて思った。このままでは金城に殺される。

金城は酷く動揺し、狼狽し、錯乱している。あの男をなだめることはむしろ不可能だ。

やらなければ、やられてしまう。

このままでは終われない。ずっとこの男にやられっぱなしの人生だった。

この男がいなければきっとあたしの人生はここまで惨めなものになっていなかっただろう。

あたしは電話をかけている金城を横目に部屋を出て玄関に向かった。

金城が付き合いで何度か使ったというゴルフバッグの中からリーチの長い7番アイアンを取り出した。

どうしてもっと早くこうしておかなかったんだろう。

金城という人間がこの世にいる限り心休まる時間は一秒たりともない。

この男にあたしは全てのものを奪われ、壊された。

でも、もう我慢はしない。この男に殺されるのだけはご免だ。

「いや、俺はそんなことしてないっすから!誤解っすよ!いやぁ、マジで勘弁してくださいってぇ」

電話を耳に当て必死に弁解している様子の金城はあたしの存在に気が付かない。