イジメ返し―新たな復讐―

「そうだね。でもね、カスミちゃん。あたしも色々あるんだよ。でもそれでも前を向いて生きているの。カスミちゃんがしたことは悪いことだと思う。ちゃんと償おう。イジメなんてダメだよ」

「は?なに、今度は説教?ウザいからあっちいけよ!」

しっしと手で真紀を追い払う仕草をする。

昔からそうだった。真紀はいつだって公平で中立で誰に対しても分け隔てなく優しい。

同じシングルマザー家庭に育ったはずなのに、どうしてあたしと真紀はこんなにも違うんだろう。

雲泥の差があるんだろう。

真紀といるとイラつく。自分との差を見せつけられているみたいで。

どんな時だって真紀はあたしを悪く言ったりしない。あたしだけでなく他の人間のことも悪く言わない。

真紀が嫌いだ。大っ嫌いだ。だから、愛奈をイジメた。

真紀のことを傷付けるためには愛奈を傷付けるのが効果的だと知っていたから。

「カスミちゃん、あたしはただみんなで仲良く過ごしたいだけなの。イジメはやめよう。過ちは過ちだって認めよう?今からでもきっと遅くないから」

「遅いも何もアンタには関係ないし」

めんどくさくなって立ち上がると、真紀は優しく微笑んだ。

「関係あるよ。あたしとカスミちゃんは小学校からの友達だもん」

相手の言葉に嘘がないか探る癖がついたのはいつからだろう。

まっすぐあたしを見つめる真紀の表情からは嘘をついている様子はない。

友達……?あたしと真紀が?

ずっと一緒にいたけれど、志穂を本当の友達だと思ったことはなかった。

お互いに利用し合う関係だったから。志穂だってそのはずだ。互いに互いを友達だとか親友だとか思ったことは一度もない。