「死ね、くそ野郎」

そう吐き捨てたとき、お腹がぐぅっと鳴った。そういえば昨日の夜から何も食べていない。

お腹をさすりながら冷蔵庫を開ける。

中には数本の缶チューハイと賞味期限の切れたつまみが入っているだけ。

あたしが食べたいものがこの冷蔵庫の中に入っていたためしがない。

からっぽな心はいつだって満たされることはない。今も、きっとこれからもずっと永遠に。

あたしはそのまま家を出ると、空腹に耐えながら学校へ向かった。

「ねぇ、見て!ニュース更新されてる!」

学校に着くと、クラス中が志穂の話題で持ちきりだった。

「うるせーな」

ポツリと呟きながら自分の席に座る。

昨日、志穂と龍のベッド写真が送られてきたあと、それを紅蘭に転送すると、胸がスーッとした。

ざまあみろ。あたしに逆らおうとするからこうなるんだ。

怒り狂った紅蘭たちに志穂がどんなことをされるのか予想はついていた。

以前にも紅蘭の彼氏の龍に手を出した女が集団リンチにあったことがあった。

髪を丸刈りにされ、暴行され、心も体もボロボロにされた。

龍が勝手に女をナンパしただけでその女は紅蘭という彼女がいたことも知らなかったに違いない。