「アンタ達、こいつのこと好きにしちゃっていいよ。とりあえず、人気のないところに拉致ろうか」

華の言葉に男たちがあたしの両腕をガシッと掴んだ。

「女子高生か。いいねぇ。楽しみだねぇ」

一人の男があたしの体を舐めるように見つめる。

全身に鳥肌が立つ。

「紅蘭……やめて!!お願い、謝るから。お願いだから!!」

「謝ってすんだら警察なんていらねぇんだよ」

紅蘭はそう言うと、あたしの顔面を拳で殴りつけた。

指輪が前歯にぶつかり、小さな塊がころりと床に転がる。

「うぅぅーーー!!」

それと同時に訪れた歯痛に悶絶するあたしに紅蘭は何度も容赦のない攻撃を加える。

唇が裂け、大量の血が顎から首に滴り落ちた。

「こんなもんで済むと思うなよ。アンタには生き地獄を味わわせてやる」

再び殴られ戦意喪失したあたしの体から力が抜ける。

なんてことをしてしまったんだろう。

まさかこんなことになるなんて……。

ただあたしはキラキラと輝く世界で生きていきたかっただけなのに。

それなのに愛奈をイジメたせいでこんなことになるなんて……。

あたしは愛奈を直接的にイジメていない。ただ傍観していただけ。そんなの逆恨みだ。そう思っていた。