『……助ける?あははははは!!冗談言わないでよ。つーかさ、アンタがこれから行きそうな場所紅蘭たちに教えたのあたしなんだよね。もしかして、アイツらもう近くにいんの?まぁ、せいぜい頑張ってよ。生きていられることを願ってるね』

「か、カスミ!?」

『まっ、アンタが生きていようが死んでいようがあたしはどうだっていいけどさ。じゃーねー』

「カスミ、待って――!!」

あたしが叫んだと同時にピッと一方的に電話は切られた。

「……志穂。アンタ、よくもあたしの男に手出してくれたね。しかも、写真まで撮るなんていい度胸してんじゃん」

紅蘭があたしの前髪を掴んで思いっきり上に引っ張り上げた。

俯きたいのに強制的に顔を持ち上げられてしまう。

「ご、ご、ごめん!これは誤解なの!エマに……神宮寺エマっていうあたしの学校の子に彼を紹介されて……。まさか紅蘭の彼氏だなんて知らなくて……。知ってたらあんなことしなかった!!紅蘭を裏切ることなんて絶対にしなかったよ!?」

今思いつく限りの言い訳を必死になってする。でも、紅蘭はあたしの言葉に耳を貸そうとはしない。

「あたしの彼氏寝取ったのもそうだし、うちらとの約束を一方的に破っただろ?お前のそういう舐め腐った根性、うちらが叩き直してやるよ」

「お、お願い!やめて!!」

前髪を引っ張られて頭皮が激しく痛む。

「は、華!お願い、助けて!!」

そばで腕組みをしていた華に助けを求めたものの、華はあたしを睨み付け吐き捨てるように言った。