もちろん今だって毎日机に向かっている。

カスミちゃんはまるでハイエナだ。獲物を横取りするだけでなく、骨までしゃぶりつくす。

ほんの少しだけ周りの子よりも頭の良かったわたしにカスミちゃんはすぐに目を付けた。

最初は『宿題見せて?』から始まり、『宿題を写真で送って』になり、『あたしの代わりにアンタがあたしの課題やって』になった。

小学校の夏休みなんて最悪だった。

家に宿題全部をもって押しかけてきたカスミちゃんの代わりにワークも解いたし、読書感想文も書いたし、ポスターだって作った。

自由研究は勝手に共同研究にされ、『アンタがやって。ちゃんとあたしの名前も入れておいてよ』とそれだけ言い捨ててわたし一人だけにすべてを押しつけたし、皮肉にも賞を取ってしまった際には代表者として得意げな顔で壇上に立って賞状を受け取った。

わたしはその背中を見つめながらギュッと拳を握り締めて耐えるしかなかった。

あまりに理不尽なことが起きているのに、声をあげることができない非力な自分に心底腹が立った。

カスミちゃんは人のふんどしで相撲をとる典型的な人間だった。