「……悪いことをした人間には必ず罰が下るの」

そう言って微笑んだエマちゃん。その笑みはすぐに消え真剣な表情になった。

「次は誰?志穂ちゃん?」

「そうだね。カスミちゃんは最後にしたい」

「じゃあ、志穂ちゃんにしようか。あの子、色々やらかしてるみたいだからいつかは勝手に自爆してくれそうだけどね」

「そうなの?」

「うん。でも、ちゃんとやり返そうね」

「うん!」

わたしはエマちゃんの言葉に大きく頷いた。

心が踊るというのはこういう時に使うんだろうか。

イジメ返しをすることで平穏に学校に通えればいいと思っていたはずなのに、今はどうやったらわたしがうけた苦痛を相手にも味わわせられるのかばかり考えてしまっている。

苦しめたい、と切実に思う。わたしが受けた屈辱を必ず……。

わたしは志穂ちゃんの席をじっと見つめて決意を固めた。