イジメ返し―新たな復讐―

「でもさ、事の発端は愛奈なんだよ。アイツ、あたしのこと『ロングロングアゴ―』ってみんなの前で言ってさ……。確かにあたしも愛奈の悪口をグループチャットで流したりもしたし、無視もしたし、暴力だって振るった。最低なことしたって分かってる。その仕返しだとは思うけど、酷すぎだよ」

自分のことを棚に上げているというのはわかっていた。

でも、どうしても愛奈のことを許せなかった。

「愛奈、本当にそんなこと言ったの?愛奈はそんなことする子じゃないよ」

「真紀は優しすぎるんだよ。愛奈のことなんてかばう必要ないじゃん」

真紀はいつだって愛奈のことをかばっていた。

あの日だってそう。タイムラインの中であたし達は愛奈の悪口で盛り上がっていた。

【真紀:悪口はやめようよ。こんなのよくない】

真紀はハッキリとそう言ってのけた。

正直、正義感丸出しの真紀をウザいと思ったけれど誰もそのことについて文句を言う人はいなかった。

真紀の言葉が正論だったから言い返せなかったのだ。

悪口を一人が言えば、更に一人が加勢し、人数が増える。

悪口は助長し、歯止めが利かなくなっていた。

そのあと真紀の言葉で白けてしまい、タイムラインで愛奈の悪口は続かなかった。

さっきだってそうだ。

カスミちゃんがクラスのグループラインで愛奈の動画を流した後、愛奈がグループを抜けると同時に真紀も続くようにグループから抜けた。

動画に対して真紀からのコメントはなかったけど、あの動画を投稿したカスミちゃんへ無言の抵抗の表れのようだった。