イジメ返し―新たな復讐―

「えー、朝の緊急の職員会議で今日から原則的にマスク禁止の措置をとることになりました。明日からやもなく着用する場合、保護者に一筆もらってくるように」

先生の話を聞いても、教室中の誰もが特に気にしている様子は見られなかった。

机の下で手を震わせて俯いていたのもあたしだけだった。

どうして。どうしてこんなことに……。

ただ、我慢するのは今日だけだ。明日からは母に一筆書いてもらえばマスクを着用できる。

今までのように平和な日常を過ごせる。

それにしても……。

あたしは愛奈のことを憎々し気に睨んだ。

『佐知子の顎、すごいね。長すぎ。あっ、前に単語であったよね。ロングロングアゴ―って』

愛奈の言葉が蘇り、腸が煮えくり返りそうになる。

底辺の分際であたしに楯突くなんて許せない。

授業が始まると、あたしはそんなのそっちのけで学校の裏サイトを開いた。

中学校の時もそういうサイトは存在していたけれど、噂や悪口の温床であえて避けていた。

それに自分の悪口がそこに書き込まれていたらと思うとなんとなく怖くて開けなかった。

でも、今は違う。高校デビューを果たし、友達もたくさんできた。

クラスの中では2軍だし、最底辺にいた頃のあたしとは違う。

とにかく、この気持ちを今すぐに吐き出して誰かと共有したかった。

休み時間になったら、香織やほかの友達に相談しよう。

以前愛奈のことを話したら、『マジで?佐知子のこと傷付けるなんて愛奈許せない!』と怒ってくれた。

また彼女たちを味方につけて愛奈を痛めつける。

ついでにあたしに恥をかかせたエマちゃんも一緒に地獄へ突き落としてやる。