すべてカスミちゃんの計画だ。わたしへの嫌がらせ。

カスミちゃんの手のひらで転がされていることにどうして真紀は気付かないんだろう。

真紀を自分たちの仲間に引き入れてわたしと引き離そうとするカスミちゃんの意図が透けて見える。

カスミちゃんは真紀とわたしが仲違いするのを楽しんでいるだけ。

これじゃカスミちゃんの思うがままなのにそれなのにわたしはまんまとカスミちゃんの策略にハマり真紀のことを……――。

「もう……嫌だ。みんな、嫌い。大っ嫌い!!!」

大声をあげれば父に何と言われるか分からない。

部屋に飛び込んできて平手打ちされる可能性だってある。

どうして辛い時に親を頼れないんだろう。どうして――。

わたしは枕に顔を埋めて声を押し殺して叫んだ。

どうしてわたしばっかりこんな目に合うの?

わたし、何か嫌なことした?みんなに嫌われるようなこと……したの?

心の中で自分自身に問いかけても答えは返ってこない。

おかしい。理不尽すぎるよ、こんなの。

きっと今頃佐知子のタイムラインはわたしへの悪口で溢れているだろう。

みんなにとってわたしは敵だ。その敵を倒すために、一致団結しようとしている。

真紀だって佐知子のタイムラインを目にするだろう。

いくら優しい真紀だってさっきのわたしの態度に苛立ち、佐知子たちの悪口に加勢したくもなるだろう。

「ほんと、最悪だ……」

問題は更に深刻になった。

明日学校へ行けばカスミちゃんだけでなく、クラスのみんなからのイジメが待っているはずだ。

もう何の希望も持てない。これから一体、どうしたらいいの……?

わたしは絶望に打ちひしがれながら枕を濡らすことしかできなかった。