【真紀:今日はごめんね。愛奈と仲直りしたいです】

「真紀……」

仲直りしたいって真紀の方から言ってくれるなんて思ってもみなかった。

【わたしも色々言いすぎちゃった。ごめんね】

わたしがそう返信すると、今度は電話がかかってきた。

『もしもし。愛奈?』

『うん』

『さっきも言ったけど、ほんとごめんね』

『わたしの方こそ、ごめんね』

互いに謝罪した後、真紀が弾んだ声で言った。

『そうそう。実はね、今日愛奈にお土産買ったの】

『え……そうなの?気を遣わなくてもよかったのに』

そう言いながらも本心は嬉しかった。町までいってわたしの為を思って何かを買おうとしてくれたその気持ちが。

『でもそのお土産、カスミちゃんが買ってくれたものなの。愛奈に買ってあげたほうがいいって。カスミちゃん、優しいね』

ドクンっと心臓が不快な音を立てた。

『カスミちゃんが?』

『そう。カスミちゃんね、臨時収入が入ったみたいで今日は全部ごちそうしてくれたの。今まで行ったことのないお洒落なカフェでお茶して、そのあとカラオケに行ったの。好きなもの全部注文してくれてすごいお金も使わせちゃってなんか申し訳なくなっちゃった』

『豪遊してたって……こと?』

わたしの渡したお金で。わたしが必死になって貯めたあの1万5千円で?