「もう、やめてよ」
「あはは。ご主人は花嫁さんが可愛くて仕方がないんですね」
カメラマンさんが手で「もうちょっとずれて」と場所を指定する。
あれよあれよという間に、写真撮影は終了した。
天気がよかったのは幸いだったけど、ちょいと日差しがきつかった。
重い衣装を脱いで私服に戻ると、首から上と下が別次元の人間になっていた。
ヘアメイクさんがつけ毛と髪飾りを取った。そこでここのお仕事は終了。
私は写真用の濃いメイク──まるで、女性だけの昔からある人気歌劇団のような──で、控室から出て、同じ階にあるレストランに向かった。
「お疲れ様。お待たせ」
席についてアイスコーヒーを飲んでいた景虎が振り返った。彼は私の顔を見て、また手を口に当てて背を向けた。
「なに。また私の可愛さにやられた?」
冗談を言いながら彼の正面に座ると、彼は肩を震わせていた。
くくく、と喉から低い笑いが漏れ聞こえる。
「ごめ……私服だとギャップが……。顔だけ目立つ……あの歌劇団の人かと……」
「こらっ」



