とりあえず全身脱毛は済んでいるし、生理中でもない。
上田さんの塩分控えめの手料理のおかげで、顔がむくんだりもしていない。
それに……写真でも撮ったら、新婚気分が盛り上がりそうだし。
ここ数日一緒に暮らしてみて、私たちは政略結婚の仮面夫婦ではないことがわかった。
景虎は多少過保護にも思えるけど、それは事故に遭った私を心配しているからだろう。
とにかく私に甘いし、隙あらばスキンシップを試みてくる。最近はそれも嫌じゃなくなった自分にビックリだ。
夫なのだからあまり嫌がってはいけない、最初はそう思っていたのに。
いつの間にか、彼の体温を心地いいと感じている自分がいた。
記憶がない面を除けば、私はすごく幸せな結婚生活を送っていると言える。
夫婦らしいことをすれば、もっともっと、私はこのひとの妻なんだという自覚が芽生えるかもしれない。
「じゃあそれが終わったら着替えて」
彼は微かに安堵したような表情を浮かべていた。
突然だったから、私が拒否すると思っていたのかな。
ジェルボールを洗濯機に放り込んで洗濯から乾燥までのコースを設定し、私は彼の後を追った。



