仕事を覚えることに集中した日々が数日すぎ、気づけば土曜日になっていた。
家事はほぼ上田さんがやってくれるので、帰ってきたら上田さんの作ってくれたおいしいご飯を食べ、ピカピカに磨かれたお風呂に入ることができる。
洗濯物を畳むなどという、非生産的な作業をしなくても済む。
本当にありがたい。多くの共働き家庭では、奥さんが仕事をしつつ家事育児もこなしていると聞く。
うちの母は子育てだけは自分でした。お手伝いさんが一緒に面倒を見てくれたということもあるだろうけど、寂しい思いや惨めな思いをしたことはない。
私がいざ出産したら、ちゃんと子育てできるかな。自分のことも他人任せなのに、赤ちゃんの世話までするとなると、自信ないなあ……。
「今日は一緒に出かけるから」
「はい?」
休日だけ自分で動かす洗濯機の前で、ジェルボールを持った私は動きを止めた。
振り返ると、景虎が私服姿で立っている。ただの無地Tシャツなのにかっこよく見えるので、顔がいいっていうのは特だなとしみじみ思う。



