旦那様は懐妊初夜をご所望です~ワケあり夫婦なので子作りするとは聞いていません~



 昼に食べ過ぎたので、夜はお蕎麦を出前してもらってさらっと食べた。

 私用のチェストやクローゼットには、下着や衣類が詰まっている。景虎が先にお風呂に入っている間、私はそれを一枚ずつ確認していた。

 使用感があるので、おそらく本物だろう。

「しかし……」

 新婚で旦那さんがいる身なのに、清楚というか、大人しめな下着が多い。

 彼氏が出来たら、レースがあしらわれたような可愛くて、ちょっとセクシーな下着を買おう!とか、二十歳以前は思っていたのにな。

 高校生の頃と変わらぬ、装飾やパットがほとんどない下着を摘み上げ、首を傾げる。

 もしかして、こういう子供っぽい下着が、彼の趣味なのかしらん?

「萌奈」

「ぅわあい!」

 突然部屋のドアが開いて景虎が顔を出したので、私は慌てて下着をしまった。慌てすぎて、チェストの引き出しにちょっと指を挟んだ。

「何をしているんだ? 風呂に入らないのか?」

 彼は上半身裸で、まだ濡れている髪をタオルで拭いている。