旦那様は懐妊初夜をご所望です~ワケあり夫婦なので子作りするとは聞いていません~


 熱そうなフカヒレを、スープと一緒に口に入れた。ら、あまりの熱さに口の中が大騒ぎに。

 悶絶する私に、彼は「どうしてフーフーしないんだ!」と父親のような言葉を投げかけた。彼は水から席を立ち、冷たい水を持って戻ってきた。

 差し出された水をなんとか含むと、やっと口の中の炎上がおさまる。

「ひい。ちょっと油断した……」

 もちろん熱そうだと思ったので、食べる前に若干息を吹きかけた。大きく頬を膨らませてフーフーするのは格好悪いから。結果、もっと格好悪いことになった。

「あ、でも味は格別に美味しいです! さすが作りたて」

 熱さに慣れ、やっと味がわかってきた。もぐもぐ咀嚼して飲み込み、一息つく。

「はあ……君を見ていると飽きないな」

 景虎はホッとしたように顔をほころばせた。

「どういう意味?」

「かわいいから放っておけないって意味だよ」

 慎重に冷ましたフカヒレを口に入れようとした瞬間にそう言われたので、スープごと噴き飛ばしそうになってしまった。