「さっき言ったばかりでしょ。今が幸せなら、過去にこだわることないの」
「でもっ、答えを知っている人がここにいるのに教えてもらえないなんて~」
気になって夜も眠れない。クイズ番組の答えをCMで遮られるくらい気持ち悪い。
「ほら、考えすぎちゃうとまた頭痛出ちゃうよ?」
「うっ」
それは嫌。頭痛やめまいはすっかりトラウマになっていた。
「副社長がなんだって知っているんじゃないの? 他人に教えられるより彼に教えてもらった方がいいと思うな」
「かげ……副社長は、自分から私にあれこれ話すつもりはないみたいで。無理に思いださなくても~とか言って」
「じゃあ、私も副社長に賛成。異議なし」
笑顔の原田さんに、フグのように頬を膨らませた私。
「副社長がそう言うなら、きっと思い出さなくていいことなんだよ」
原田さんはそう締めくくり、話題を終わらせてしまった。
どうやら、彼女の口を割らせようとするのは無理らしい。
私は諦め、残っていた食事を口に運ぶことにした。



