《ここみside》
ふふんふーん、やっとこの日がきたーっ!
今日は待ちに待った、夏祭りデートの日!
梓ちゃん家で、浴衣を着てから、集合場所に行く事になっている。
「あ、ここみ。今から、お友達のおうちに行って、着付けるの?」
「あっ、おかあさん。うん。今から行くね。行ってきまーす!」
「気をつけてね! …あと、…彼氏さんによろしくね?」
「っ~!」
バタン!
玄関のドアを閉めて、私は歩きだした。
彼氏さんによろしくねって、言うところだけ、ニヤッとした顔で言われちゃった。
ってか…、
なんでバレてるの!?
彼氏さん…って、樹くんのことだよ?
私、樹くんとお試しで付き合ってること言ってないのに!
まぁ、お母さんだし…やっぱり娘のことは分かるのかな…
母は、やはり子供のことならなんでも分かっちゃうんだなと、改めて感じた。