放課後、ここみとの帰り道。

「…でね、喜菜がね

ここみとのなんでもない話も、すごく楽しい時間に感じる。





「なぁ、ここみ」

俺は、ここみの話が一区切りついてから、デートの話を切り出した。

「ん? なぁに、樹くん」

なにこの、ん?って。

かわいすぎ。

まぁ、このことは置いといて。

「あのさ、ここみ。デートしない?」

「え?いいの?」

いいの?って、なんでだ?

なにか、遠慮しているのか?

「どういうこと? いいの?って。」

「あ…樹くん、すっごく頭いいから、塾とかで忙しいのかなぁって」

気遣ってくれてたのか。

嬉しすぎる…!

ってか、俺が頭いいって…

自分でも、頭脳は、悪くない方だとは思うけど、その事をここみが知っててくれたことが嬉しかった。

「俺、塾行ってないよ。だから、全然大丈夫」

「え! すごいね、樹くん! 私の彼氏、こんなすごい人なんだね。嬉しい」

俺も、こんな可愛いここみが見れて、嬉しいよ。

「それで、どこに行くか決まってるの、樹くん? もし決まってなかったら、行きたい所があるんだけど」

え、ホントに?

夏祭りのことを切り出そうとしたら、まさかの、ここみからのリクエスト。

俺が考えてたプランが…

まぁ、いいか。

ここみの意見が最優先だ。

「どこ行きたいの?」

「夏祭り! 二駅となりの!」

「それほんと? 俺も、夏祭りに誘おうかなって、思ってたんだよ」

「すごいね! 以心伝心かな?」

ここみ、嬉しいこと言ってくれるな。

「以心伝心かも。ここみのこと、なんでも分かる気がしてきた」

「ふふっ、私もだよ!」

意志が、なにも言わなくても伝わるって、いいと思う。

ここみとも、そんな関係を築きたい。

「あ! 言い忘れてた!」

漣達とのダブルデートのこと。

ここみに伝えとかないと。

「どしたの、樹くん」

「あのさ、デートのことなんだけど、漣と、梓さんと一緒でもいい?」

「え! ダブルデートってこと!? いいよ! むしろ、嬉しい!」

俺と二人っきりは、嫌って言われてるみたいで、ちょっと傷ついたけど、ここみが笑顔だからそれでいいか。

「じゃあ、私、あっちだから、行くね。バイバイ、樹くん」

「また、明日」

俺は、駅でここみとわかれて、帰路に着いた。