辛かった。
だけど、涙はでなかった。
今思えば、そんなに好きじゃなかったのかも。
…そうして、私ははじめての彼氏と別れた。
彼氏は何も否定しなかった。
ただ、ごめん、そう繰り返すだけだった。
この出来事があってから、何人かに告白されたが、誰とも付き合う気になれず、今もフリーだ。
でも、彼氏が欲しいなんて思わない。
今は、喜菜という大親友がいる。
友情は、裏切らない。
恋愛で裏切られたからこそ、この思いは強くなった。
私は、きっと恋なんてしない。
ずっとそう思ってきたし、この気持ちはこれからも変わらないと思う。
このときの私は、恋の気持ちを知ることになるなんて思ってもいなかっただろう。

