《樹side》

俺、ちょっと浮かれてるかも…

なぜって、桃山さんと付き合えることになったから。

まだお試しだけど、絶対好きにさせる。

今、桃山さんと自由時間に大阪観光をするため、待ち合わせている。

楽しみすぎて、待ち合わせの10分前に着いてしまった。

「あっ、新藤くんっ!お待たせ!」

「いや、全然大丈夫」

桃山さん、可愛い。

制服だけど、髪型も可愛いし、なんかメイクもしてて、普段以上に可愛い。

破壊力が半端ない。

「あ、思ってたんだけど、桃山さんじゃなくって、ここみって呼んでくれる? あんまりこの名字気に入ってないの」

桃山さんって名字も可愛いと思うけど。

まぁ、ここみって名前もすごく可愛いし、何だか下の名前呼びなんて、恋人らしくてドキドキする。

「わかった。じゃあ、俺のことも樹って呼んで」

「わかった、樹。う~ん…」

樹という呼び方に、違和感を覚えたのか、考え込む様子の、桃山さん。

…じゃなかった、ここみだ。

「たつき…。樹…。樹くん。うんっ樹くんっ!」

「ももや…ここみ、可愛すぎ。樹くんでもいいよ」

「うん、樹くんって呼ぶ!」

はぁ、可愛すぎて心臓5個欲しいくらいだ。

「で、どこ行くの? 樹くん、行きたいところある?」

初めてのデートだ。

プランを考えてないわけがない。

俺は、二つのプランを用意していた。

「スイーツ巡りか、大阪城とその周辺をまわるか、どっちがいい?」

この前小田原さんに、聞いたところ、ここみはスイーツが好きとのこと。

そのために、スイートが美味しい店も調べてある。

「どっちもいいけど…スイーツ巡りかな!樹くんと一緒に食べたら、きっと、本来の味よりも美味しく感じるね!」

やっぱりスイーツ巡りか。

ってか、最後の一言が、可愛すぎ。

やっぱり、ここみは、天然だ。

「あぁ、じゃあ難波か梅田に行こう。どっちがいい?」

「う~ん…迷っちゃうから、樹くんが決めて?」

そんなこと言われても、俺も迷う。

「じゃあ、梅田にしようか。ここから近いから」

「うん、楽しみだねっ!」