こうして、一日目を終え、今、ホテルの部屋で、恋バナ中。

「梓ちゃん、藤岡くんとラブラブでしょ~! 今日、ホテルの階段でこっそりキスしてるところ見ちゃったもん」

「えっ…喜菜ちゃん、見てたの? 恥ずかし…」

「梓に、喜菜ちゃんって、リア充が増えて困っちゃうよねぇ」

春奈ちゃんは、彼氏いないから、私と一緒。

「でも、ここみちゃんも新藤くんといい感じなんじゃない?」

「え! ちょっと、梓ちゃん何言ってるの!?」

新藤くんって…

まぁ、確かに男子の中では、仲いいほうだけど。

「あ、私、ちょっと抜けるね」

突然、喜菜が言い出すもんだから、ビックリした。

「え? 喜菜、どこ行くの?」

「バカだなぁ、ここみちゃん。森本くんのところに決まってるでしょっ」

「そうなの? 喜菜」

「え~っと、うん、まぁ。じゃあ行くね。」

そう言って、そそくさと部屋を出ていった喜菜。

「で? で? ここみちゃんは、新藤くんとどうなのよ?」

「いや、何もないけど。嫌いじゃないかな」

「そうだよね、やっぱり。テーマパークで見かけたけど、新藤くんとなぜか二人きりで、すごい楽しそうだったもんね」

えっ!

梓ちゃん、見てたんだ!

「あれは、桜ちゃんと夏樹くんが、ジェットコースターに行くって言ったから…私たちは、別行動で…ってだけだよ」

「ちょっと、ここみちゃん? 新藤くんと付き合わないでね。私、一人で惨めに彼氏なしを気にしないといけないじゃん」

お願いしますのポーズをとる春奈ちゃん。

「ないない。大丈夫だから。ね?」

そう言いながらも、新藤くんと付き合ったら…なんて想像してしまう自分がいた。