イケメン王子は溺愛中



「楽しみだね!」

「うん! でも、並んでる時間長いよね~」

今、私たちの班は、一番人気のジェットコースターに並んでいる。

「私、実は初めてなんだ~。こういう、おっきいジェットコースターに乗るの」

そう、小さいお子さまジェットコースターなら乗ったことあるんだけど、大きいジェットコースターに乗るのは、初めて!

「え~っ、そうなんだ~。私は、絶叫系とかも結構好きだから、わりと乗るよ~」

と、桜ちゃん。

「俺も俺も~! 絶叫系好き~」

「へぇ~、夏樹くんも?」

あ…さっきから新藤くんあんまり喋ってないな…。

「ね、新藤くんは? ジェットコースターとか、好き?」

新藤くんに話を振ってみる。

「え…あぁ俺? う~ん、嫌いじゃないけど、あんまり乗らないかな」

「へぇ~、なんか新藤くんらしいね~」

桜ちゃんが、なぞの返答。

なんだ?

新藤くんらしいって。

まぁ、私が気にすることじゃないよね。





「イヤイヤイヤイヤイヤー!」

今、ちょうどすっごい高さの地点までジェットコースターで上ってる最中です。

正直言うと…

怖すぎる。

上ってる途中だけど、体感角度が80度なんだけど!

ほぼ、直角に上ってるような感じ…!

「あーーーー!! 落ちる~!」

「はははは、桃山さん、うけるわ~」

隣では、夏樹くんが余裕の表情で笑っている。

ってか、ヤバイ!

あと、あと数秒で落ちちゃう!

「イヤー!!」

このとき、ちょうど一番上。

怖すぎて、一瞬しか景色を見れなかった。

次の瞬間。

「キャーッ!」

ものすごいスピードで、ジェットコースターが落ちていく。

それは、体が浮くような感覚で。

あとは、もう怖すぎて覚えてない。