《樹side》

マジか…!

神様、ご先祖様、お釈迦さん、感謝します!

桃山さんと、同じ活動班になれるなんて!

奇跡だ!

「…へいへい、わかったよ。」

さっきから、漣に同じことを何度も言ってるから、もう適当に流されている。

「あ、そういえば、夏樹って漣のイトコ?」

「ん~? あぁ、夏樹? イトコだけど。なんかあった?」

「活動班一緒になった。あと、川上と、俺と、それから…桃山さん!」

あぁ、まだ信じられない。

「おい、樹。桃山さんだけ、レア物みたいに言うなよ。おーい? だめだなこりゃ。重症だ。」

おいおい、お前には言われたくねぇよ。

「漣だって、梓さんにベタ惚れのくせに」

「おいおい…そんなこと関係ないだろ。」

ちょっとちょっと、漣くん?

顔が赤くなってますけど…?

「いいなぁ、梓さんとラブラブ」

「だから、そんなに好きならお前も告れよ」

簡単に言うけど…

「そんなに簡単じゃないの! 大体、桃山さんは、俺が小田原さんのことを好きって思ってるみたいだし。」

「おいおい、マジかよ。お前……、頑張れよ」

漣は、俺の肩をポンッと叩いて行ってしまった。