「え~っと、7班のみんな…だよね?」

知ってるの、新藤くんぐらいなんだけど。

例の突然話しかけてきた人。

まぁ、知ってる人が一人でもいるだけでよかった。

なんせ、まだ二年生になったばかりだから。

「そうだよ。知ってると思うけど、俺、新藤樹っていうんだ。よろしく」

新藤くんが自己紹介をしたため、みんながあとに続く。

「私、川上桜(かわかみさくら)っていいまーす。よろしくね~!」

「えー、俺は、藤岡夏樹(ふじおかなつき)です。藤岡漣のイトコ。短い間だけど、よろしく。」

あっ、藤岡くんって、いとこも、この学校だったんだ。

「あの~、藤岡くんは二人いるから分かりにくいんで、夏樹くんって呼んでいいかな?」

ここで、川上さんが提案。

私も賛成!

二人いると、ややこしいもんね。

「うん、夏樹でいいよ」

夏樹くんも賛成してくれてるし。

…てか、私も自己紹介しなきゃだよね。

「私、桃山ここみです。えっと、よろしくね。」

すると、みんながキョトンとした表情をした。

「あの~、たぶんこの中で桃山さんのこと知らない人、いないよ?」

え?

「どういうこと?」

「君、モテるからさ。みんな知ってるんだよ」

はぁ?

喜菜じゃあるまいし。

モテてるんなら、自覚してるわよ。

「いや、冗談はやめてよ。」

「もぉ、もしかして天然? やばっ。人気に拍車がかかりそうだな」

「ねぇ、このあと大阪のテーマパークのまわり方、決めるんだよね?」

「おーい、無視しないでもらえますか~?」

ふんっ!

無視だ、無視!

「楽しみだね、桃山さん。あ、ここみちゃんって呼んでもいい?」

川上さんも、夏樹くんを完全無視!

「いいよ! 私も、桜ちゃんって呼ぶね!」

「うんっ! それにしても、このテーマパーク広いねぇ~」

ほんと、すっごく広いんだよ。

「愛知県民の俺たちからしたら、もう大阪なんてすっげぇ都会だよな!」

「いや、夏樹くん。名古屋もそれなりに都会だから」

夏樹くんの言葉に、桜ちゃんがすかさずツッコミ!

なんで、自由なメンバーでテーマパーク回ったら行けないの?って、思ってたけど、このナンバーなら、楽しくなりそう!

ふふ、楽しみ!