居候同期とフクザツな恋事情



「私も和菓子も好き」

意外と合うとこもあるんだと思って笑いかけたら、仲林くんがにこっと笑い返してきたから、またもや不可抗力でキュンとした。

前から薄々感じてはいたけど。仲林くんて、笑顔にやたらと破壊力あるんだよな。

勝手に鼓動が速く鳴り始めるから、慌てて首を横に振って別の話題を探す。


「あ、そういえば。仲林くんて、下の名前なんて読むの?」

「名前?」

「そう。社員証見たんだけど、わからなくて」

「あー。維和(イオ)だよ」

そっか、イオ。

イワではなかったか。


「そうなんだ。なんかそっちのが、仲林くんて言うより呼びやすいね」

「じゃぁ、これからイオでいいよ。しばらく一緒に住むんだし」

何気なくそう言うと、仲林くんが唇に綺麗な弧を描くようにして微笑んだ。


「え。あ、うん……」

今度は不可抗力でギュンときてしまって、おとなしくなったばかりの鼓動がふたたび速くなる。

ダメだ。なんかこの人、無自覚な分危険かも。

家ではダメなとこばっかり見せられてたからあれだけど……こうして外でふたりでいると、とてもナチュラルに不可抗力スマイルを投下しまくってくる。