居候同期とフクザツな恋事情



「まだ。ここに来る前にコンビニ寄ったから、テラスでサンドイッチでも食べようかなーって」

「じゃぁ、俺もテラス行っていい?朝ごはんをコンビニで買ってきたんだけど、会社着いたらギリギリで食べる暇なかったから」


今日はいろんな人からランチに誘われる日だな。

そう思ったけど、特別断る理由も見つからない。


「いいよ」

「ちょっと待ってて。持ってくる」

私が頷くと、仲林くんがデスクにスマホと昼ごはん取りに行ってすぐに戻ってきた。


「そういえば、在原さんてどこの部署だっけ?」

テラスに向かって歩く途中、仲林くんが今更ながらそんなことを訊いてきた。


「海外事業部だよ。ていうか、知らなかったの?」

「ごめん。同期だけど、これまであんまり関わりがなかったから」

それを聞いて、よくそんな女のところに居候を申し込んできたな、とちょっと呆れた。


「海外事業部って、松野と一緒だよね。松野とはたまに連絡取るよ。新入社員の全体研修のとき、グループが一緒だった」

「そうなんだ」

こんなところで出てきた松野くんの名前に、少しドキリとする。