居候同期とフクザツな恋事情






芽衣(めい)。今日、お昼どうする?食堂?」

仕事が一区切りしたので、腕をあげて伸びをしていると、同期の坂部 絢子に声をかけられた。


「あ、ごめん。今日はちょっと用事があって。コンビニとかで軽く済ませようと思う」

「そっか。了解」

鞄の中に入った仲林くんの社員証のことを思い浮かべながらそう答えると、絢子はにこっと笑ってひとりで食堂へと行ってしまった。

システム開発部に顔を出して、さっと渡してこないと。

ノートパソコンを閉じて、鞄を持って立ち上がろうとすると、また別の誰かが後ろからぽんっと肩を叩いてくる。


「在原、今からお昼?」

その声に反応して振り向くと、そこにいたの松野くんだった。


「あ、うん。松野くんは?」

「俺も今から。食堂とか外なら、一緒にどう?」

松野くんとは、絢子も交えてたまーに一緒にお昼を食べるけど。

こんなふうに個別に誘ってもらえることは珍しい。