実物よりもずっと暗い印象で映ってしまった自分の社員証の写真を思い出した私は、若干のジェラシーを感じながら、何気なく彼の名前に視線を移す。 仲林 維和……? 名前、なんで読むんだろ。イ、ワ? 考えながら首を横に傾けたとき、ベッド脇の置き時計が視界に飛び込んできた。 時刻は、8時10分。 のんびりしていては、いつもの電車に乗り遅れてしまう。 会社で渡そう。 そう決めると、仲林くんの社員証をスマホと共に通勤用の鞄に押し込んだ。