「何言ってんの?乾燥機にかけてないのに乾くわけないじゃん」
「あ、違う。なんか、エラーだ」
バスルームで仲林くんが騒いでいるから、仕方なく立ち上がる。
まだ少しドラマの余韻に浸っていたいのに。
ぶつぶつと愚痴をこぼしながらバスルームは向かうと、仲林くんが洗濯機の前で困った顔をしていた。
「どうしたの?」
「あー、なんか、エラーになったみたい。何でだと思う?」
「えー?人ん家の洗濯機、壊さないでよね……」
ため息を吐きながら蓋の開いた洗濯機を覗き込むと、確かに中の洗濯物は濡れていなかった。
もう一度電源をオンにして、スタートボタンを押す前に水道の元栓を捻る。
そのとき、硬くて閉じられていた蛇口が緩んだ。
「あー、水道の蛇口閉まったままじゃん。水が出てなかったんだよ」
「え?でも、なんか動いてたじゃん。スタート押すだけじゃダメなの?」
「永田さんはどうしてたか知らないけど、私は一人暮らしだから、2日に1回くらいしか洗濯しないし。使わないときは、蛇口は閉めてるよ。もう一回やり直し」
「えー、明日早いからもう寝たかったのに……」



