居候同期とフクザツな恋事情




「食べないなら、それ全部もらっていい?」

「え、ダメ」

動きが止まったままの、スプーンを持つ仲林くんの手をジロっと見ると、彼が慌てたように残りのドゥーブル・フロマージュを口の中に掻きこんだ。


「ごちそうさま!シャワー使うね」

「どうぞ。って、あ、ちょっと待って……」

残りのドゥーブル・フロマージュをスプーンで口に運びながらそう言いかけて、テーブルに散らかったままの食器や空の容器に気付く。


「これ、ちゃんと片付け……」

慌ててそう言ったけど、仲林くんはそれらが置きっ放しになっていることすら意識していないのだろう。

既に着替えを持ってバスルームに入ろうとしている彼に、私の声は届かない。

こちらを振り向くことなく、バタンと閉まったバスルームのドアを見つめて唖然とする。


なんか、手のかかる子どもがひとり増えた気分……

産んだことも育てたこともないけど。

私は残りのデザートをゆっくり堪能すると、ダイニングテーブルとキッチンの後片付けに取りかかるために重い腰をあげた。