居候同期とフクザツな恋事情




「あー、在原。お疲れ。まだ帰らないの?」

「あとメール一件送ったら帰るよ。松野くんは?」

「本当は真希子さんにこれチェックしてもらってから帰りたかったけど。俺ももう終わり、かな」

「そっか。お疲れ様」


松野くんももう仕事終わりなんだ。

これはもしかして、ご飯に誘えるチャンスかも。

ふとそんなふうに思ったけど、昨日、絢子も含めて呑んだばかりだから、声をかけて良いものかどうか少し迷った。

でも、誘わないことには何も始まらないしな。

そう心に決めたとき、松野くんが私を見てちょっと笑った。


「在原、今日暇?もしよかったら、一緒にメシでも食って帰んない?」

「え?」

誘おうと思ってたら、まさか松野くんのほうから誘ってくれるなんて!

思いがけない展開に、俄然テンションが上がる。


「あ。急だし、予定あったら気にしないで」

「うぅん。全く予定ないよ。私も、ちょうど何か食べて帰ろうかなーって思ってたの」

私の返事を聞いた松野くんが、目を細めてにこりと笑う。

その笑顔に、本当は叫んで小躍りしたい気分だったけど、それはなんとか心の奥に押し込めた。