居候同期とフクザツな恋事情




まぁ、私は仲林くんのお母さんでも彼女でもないし。彼が遅刻しようが、それで上司に怒られようが、知ったことじゃないんだけど。


「あ、家出るときはちゃんと部屋の電気全部消してね」 

「んー」

相変わらず、聞いているのか聞いていないのかわからない返事に呆れながら、私は仲林くんよりも先に家を出た。


朝バタバタしたせいで、いつもの電車の時間に間に合わない。

結局2本も乗り過ごしハメになり、そのせいで普段以上に満員の電車で通勤することになってしまった。

そのことに若干イライラしたけれど、オフィスに着く時間はそれほど遅くはならなかった。


「おはよう、在原」

ほっとしながら、入り口で警部員に社員証を見せていると、松野くんがちょうど同じタイミングで出勤してくるところだった。


「あ、おはよう」

朝から爽やかな笑顔を見ることができて、仲林くんに対する苛立ちが帳消しになる。

松野くんと一緒に海外事業部のフロアに入り、デスクでパソコンを開くと、週明けの朝からメールがたくさん届いていた。


あ、今週も忙しいな。

息をついて仕事に取り掛かる頃には、仲林くんのことはすっかり忘れてしまっていた。