居候同期とフクザツな恋事情





自宅の玄関のドアを開けると、イオが私のことを待ち構えるみたいにそこに立っていた。


「ただいま」

「思ったより遅かったね」

「ごめん……」

顔を合わせたイオの第一声が明らかに不服そうで、肩を竦めて謝る。

これでも、駅からは少し駆け足気味で帰ってきたんだけどな。若干、汗ばんじゃうくらいに。

わずかに肩を落としたら、イオが息を吐く気配がして、正面からがばっと抱きしめられた。


「おかえり、メェちゃん」

さっきの不服そうな声とは違う、抱きしめてくれる温度と同じくらい優しいイオの声がして、そのことにひどくほっとした。


「ただいま」

躊躇いながらイオの背中に手を回したら、彼がぎゅっと抱きしめ返してくれる。

イオの胸に摺り寄せるように額を押し付けたら、イオが私の左肩に頭をもたせかけてくる。

甘えるみたいなその行動にドクドクと胸を鳴らしていると、イオがすんすんと私の首筋に鼻先を押し付けてきた。