居候同期とフクザツな恋事情



「約束ってわけではないんだけど……昨日の夜遅くにこの飲み会の予定を話したら、彼女がすごく怒ってしまって」

いつも堂々とした顔で仕事をこなしている滝宮さんが、見たこともないくらい頼りなさげに笑った。


「ちょっといろいろ誤解させちゃいようなことが続いちゃったから、早めに抜けて会いに行こうかと思って」

「滝宮さんの彼女って、どんな人なんですか?」

「どんな人……」

永田さんのほうであってほしいな。そんな希望を抱きながら訊ねたら、滝宮さんが少し恥ずかしそうに口元を押さえた。


「実はね、その人が就職したばかりのときに、少しだけ仕事で関わったことが知り合うきっかけだったんだ」

「仕事で関わったってことは、同じ職場の人なんですか?」

「うん、まぁ……でも、バレたら加藤たちがうるさいから、内緒ね」

滝宮さんが、相変わらず松野くんを巻き込んで盛り上がっている真希子さんをチラッと見て、人差し指を口元にあてる。

たしかに、お酒の入った真希子さんに知られたら、大騒ぎになりそうだ。

真希子さんたちのほうを気にしながら滝宮さんの真似をして、人差し指をシーッと口にあてたら、滝宮さんが笑って頷いた。