居候同期とフクザツな恋事情




「イオ、それって……」

私の自惚れでなければ、ヤキモチ焼いてくれてる……?


「メェちゃん、もうひとつ約束しようよ」

イオが、膝にのせていた私の左手の小指に彼の右手の小指を絡めて強引に掬う。

テーブルの下でこっそりと繋がった指先にドキッとしていると、イオがそれを指切りするみたいにゆるりと振った。


「今日の飲み会では、松野の隣に座るの禁止」

小さく私にだけ聞こえるようにささやかれた、独占欲にも似たその言葉がすぐそばで甘く響いて。

社内食堂で座っていることなんて、忘れてしまいそうになる。


「メェちゃん、約束ね。俺、メェちゃんと松野の進展は、もう応援しないから」

絡めた小指をはずすと、イオが唇に弧を描きながらゆっくり立ち上がる。


「またね、メェちゃん」

その声をぼんやりと聞きながら、私は半ば放心状態で去っていくイオの背中を見送った。